福島県沿岸部の海は、古くから良質な“常磐もの”のタコが水揚げされる豊かな漁場として知られてきました。しかし2011年の震災と原発事故により、地域の漁業は壊滅的な被害を受け、地域は深い悲しみと不安に包まれました。そんな状況の中、震災から1年後の2012年6月、初めて再開された試験操業で水揚げされたのが“タコ”でした。 水揚げ台に並んだタコを見た漁師たちは、「海はまだ生きている」「ここで生きていけるかもしれない」と胸を熱くし、希望が灯った瞬間だったと言われています。 私たちが「タコシウマイ」を開発した原点は、この出来事にあります。 大きな傷を負った地域に、再び“ご多幸(タコ)”を届ける取り組みを生み出したい。 「タコで人を幸せにしたい」「福島の海が誇れる味を全国へ届けたい」――その想いが、タコシウマイ誕生の出発点でした。 使用するタコはすべて福島で水揚げされたもの。ブランド“常盤もの“のタコは、身が締まりながらも柔らかく、旨味が濃いのが特徴で、全国的にも高品質として知られています。この魅力を生かすため、餡には北海道産の真タラのすり身を合わせ、ふんわりとした食感と海の旨味を引き出す独自製法で仕上げています。化学調味料に頼らず、素材の味をまっすぐ届けるのもこだわりの一つです。 さらに、タコシウマイには“新地町ならではの言葉遊び”が込められています。 「タコ」+「シ(新地の“シ”)」+「ウマイ(旨い)」=『タコシウマイ』。 地域の名を中心に据え、「新地からご多幸と美味しさを届けたい」という願いを込めたネーミングです。 製造はすべて新地町の自社工場で行い、地元の主婦や若いスタッフが一粒ずつ丁寧に包み上げています。HACCPに基づく衛生管理を徹底しながら、手づくりの温かみを残すことで、地域の雇用と安心を守る仕組みを築いています。 「タコシウマイ」は、単なる冷凍食品ではありません。 震災を乗り越えた海の恵みと、人々の生きる力、地域に再び灯った希望の象徴です。 福島・新地町の誇りが詰まったこの味を、日本全国へ届けられることを願いながら、今日も一粒一粒、心を込めてつくり続けています。